Research

1/fゆらぎの科学

「1/f ゆらぎ」とは、パワー(エネルギー)が周波数 f に反比例する変動パターンのこと。 完全に規則的でもなく、完全にランダムでもない——その「ちょうどいい不規則さ」が、 人間に心地よさと集中をもたらします。YURAGIの名前は、この自然法則に由来しています。

3つのゆらぎ

規則・1/f・ランダム

完全な規則

パワー ∝ 1/f⁰

メトロノームのように一定。予測可能で退屈。 脳は刺激がないと判断し、注意を向けなくなる。

1/f ゆらぎ

パワー ∝ 1/f¹

パターンはあるが、次が完全には予測できない。 脳は「もう少し聴いていたい」と感じる。 自然界で最も多く見られるゆらぎ。

完全なランダム

パワー ∝ 1/f²

ホワイトノイズ。パターンがなく予測不能。 脳はストレスを感じ、不安になる。

自然界の1/fゆらぎ

人が心地よいと感じるものに共通するパターン

心臓の鼓動

完全に一定ではなく、微妙に間隔が揺れている。健康な心臓ほど1/fゆらぎが強い。

そよ風

強くなったり弱くなったりが不規則に繰り返される。完全なランダムではなく、なんとなくリズムがある。

小川のせせらぎ

水流の音量や音程が絶えず変化しながらも、全体としては一定の印象を保つ。

焚き火の炎

揺れ方が予測できないが、ずっと見ていられる。炎の明滅が1/fゆらぎに従う。

木目の模様

年輪の幅や木理の流れが規則的でありながら不規則。木製品に人が惹かれる理由の一つ。

鳥のさえずり

音程やリズムが一定のパターンを持ちつつ、毎回微妙に異なる。

科学的な背景

なぜ1/fゆらぎは心地よいのか

1/fゆらぎ研究の先駆者である武者利光氏(東京工業大学名誉教授)は、 この現象を「自然界に非常に普遍的に見られる、ものの集団の動き方の根本法則のようなもの」と述べています。 発生メカニズムの完全な解明はまだ途上ですが、生体リズムとの関連を示す研究は蓄積されています。

生体リズムとの共鳴

人間のニューロン(神経細胞)が発する電気パルスの間隔は1/fゆらぎをしています。外部から同じパターンのゆらぎを受けると、生体リズムと共鳴し、心地よさが生まれると考えられています。

α波の増加

1/fゆらぎを含む音や光の環境下では、リラックス状態を示すα波が増加することが確認されています。完全な規則性(退屈)でも完全なランダム(不安)でもない、ちょうどいい刺激が脳を心地よい覚醒状態に保ちます。

集中力への効果

函館高専の実験では、1/fゆらぎを含むクラシック音楽を休憩中に聴いた被験者が最も集中力を持続できたという結果が報告されています。適度な不規則性が注意を引きつけ続けるためと考えられます。

YURAGIと1/fゆらぎ

揺れる土台が生む、ちょうどいい不安定さ

YURAGIの揺れる土台は、完全に安定でもなく、完全に不安定でもありません。 ピースを置くたびに微妙にバランスが変わり、次の一手が予測しきれない。 この「ちょうどいい不規則さ」が、1/fゆらぎと同じ構造を持っています。

規則的すぎる遊びは飽きる。ランダムすぎる遊びは疲れる。 その間——パターンはあるけれど次が完全には読めない——にこそ、 集中と没頭が生まれます。

木目もまた1/fゆらぎです。 YURAGIが無垢の木を素材に選んでいるのは、 触感、視覚、そして遊びの構造のすべてが、 人間にとって心地よいゆらぎの中にあるためです。